坂田銀時と恋に落ちる?
□夕焼けオレンジ
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夕焼けオレンジ 1
西の空がオレンジ色に染まる頃、銀時はそわそわしながら、長椅子に腰かけていた。
「銀ちゃんどうしたアルね?オシッコならトイレに行ったらよろし。」
「ちげぇーよ、オレを何処ぞやの頻尿ジジイと一緒にすんじゃねぇ!」
「ねぇねぇ神楽ちゃん、今日は姉上とバーゲンダッツの新作食べる約束だったよね?」
「そうだったアル!今日はバーゲンダッツパーリーね!一晩中アイス食べ放題アル!」
銀時は新八に向かって頷いた。
(よし!新八、頼んだぞ!)
(任せて下さい!)
新八と神楽が出かける準備をしていると、玄関の引き戸を開ける音が聞こえた。
「こんにちは。」
「誰か来たアル!」
「ん?あ、ああ…」
下心があるからか、少ししどろもどろになっていた。
神楽は真っ先に玄関までかけていった。すぐ後を追うとそこには彼女が立っていた。久しぶりに見た彼女は、銀時の顔を見ると柔らかく微笑んだ。思わず頬が緩む。
(…可愛いじゃねぇかよ。ちきしょう…すぐヤりてぇ…)
「梨花ちゃんアルー!」
神楽は満面の笑みで彼女には抱きついた。
「神楽ちゃん元気だった?ぜんぜん会ってなかったね。」
「そうアルよ。てっきり銀ちゃんとは別れたのかと思ったアル。
かわいい彼女に逃げられたダメなおっさんの傷口に、塩をすり込むようなことはしたくなかったから今まで言わなかったけどな。
よかったね、銀ちゃん!」
銀時はワナワナと震える手を抑え、新八に目配せした。
「さっ!神楽ちゃんいこ!姉上も待ってるしね。じゃ、いってきます!」
「じゃあねー梨花ちゃん。」
新八は神楽の背中を押しながら、万事屋から出て行った。
「なんかほんとに一瞬で、嵐のようだったね。」
買い物袋を床に置き、屈んで靴を脱いでいる彼女の胸もとに釘付けになったその瞬間、力いっぱい身体を引き寄せ、唇に貪りついた。
壁際に立たせ、息もつかない程激しく舌を絡ませる。
最初は躊躇していた彼女の舌も銀時の熱いキスに夢中になっていく。
どちらのとも言えぬ液体が彼女の口の端しからこぼれていくと、銀時は舌で舐め取り、角度を変え、深く深く、甘く甘く、愛し合う者同士のキスをする。
膝を彼女の脚の間に割り込ませた。
「…はぁ…んっ…銀さん…っ」
消え入りそうな声で呟くと、服の上から柔らかな2つの丘を激しく揉みしだく。
待ちきれずに少し開いた胸もとをずり下げ、先端を目指して舌を這わせ始めた。
ちゅう…という吸いつく音が誰も居なくなった万事屋の中で響いている。
銀時の舌と唇が彼女の胸の先端にたどり着く前に、右手がスカートの中に侵入していた。
内ももを軽くなぞると、立っているのも耐えきれず体を完全に壁に委ねた。
「…ん…あっ…」
「梨花、オレの触って?」
「…うん」
彼女の手が銀時の下着の中に手を入れようとした瞬間、階段を駆け上がる足音が近づき、
「銀ちゃーん‼今日は渡る世間のシティハンター最終回放送日だったアルね‼」
思い切りよく開け放たれた扉、そこに立っていたのは神楽だった。2人は一瞬にして何事も無かったかのように、しかし不自然な間隔で離れ、引きつり笑いになる。
「ドラマくらい、あっちで見ればいいんじゃないかなァ、かーぐらちゃーん?」
神楽は気にもとめず2人の間をすりぬけ、中へ入っていく。
「新八の家はスパカー観れないネ、一年前に見逃した最終回、今日入るアルよ。
これを見逃したら死んでも死にきれないアル。」
後を追うように息も絶え絶えの新八が現れた。
「…かっ…神楽ちゃん!姉上が待ってるからっ…」
そういい終わる前に銀時と彼女を交互に見た。彼女の胸もとには先ほどまではなかった紅い吸い痕が二つ、これでもかと主張していた。
今この瞬間まで2人に何が起こっていたのかを想像すると、新八の顔がみるみる赤くなっていった、と同時に彼女は恥じらいながらの照れ笑い、銀時に至っては目の奥が完全に怒り狂っていた。
(しーんぱち…どーなってんだァ?)
(突然最終回がどーとか言い出したと思ったら、帰っちゃったんだからしょーがないでしょーが!)
(チッ!使えねーな!だからダメガネなんだよ、オメーはよォ‼)
(ちょっとぉ、メガネは関係ないでしょう?)
言い争う?2人をよそに神楽と彼女は居間に入っていく。
「梨花ちゃん、虫に刺されたアルか?」
「え?…あっ、あぁ、うん。」
「キンカン塗ってあげるね!」
「…あ、ありがとう。そう!ね、銀さん、今日はハンバーグ作ろうと思って。神楽ちゃんも新八くんもみんなで一緒に食べよ?」
ニコッと太陽のように微笑むとその場はまるく収まった。