銀魂
□第一話 行く宛
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彼女、美由は両親がいない。
かなり小さい頃に両親を亡くし、孤独と共に生きてきた。行く宛もなく温もりもない。
親は殺された。家も焼かれた。
殺した人は誰だか分からなかった。記憶も曖昧で、よく思い出せない…いや、思い出したくないのかもしれない。
唯一残ったのは、父と母からの形見だけだった。
最初は、憎み恨んだ。誰が親を殺したんだと…でも、復讐から生まれるものはなにもない。
殺して、親が戻ってくるわけでもない。悲しくて苦しかったけど…仕方がないと受け入れた。―――運命だったんだと。
今が辛くてもいつか幸せは来るのだと。今を笑って精一杯生きようって思うようになった。