FALL DOWN

□王女の友人
1ページ/6ページ


「メストー、いる? フォールだけど」

 イレカイサ王国の第2王女は古ぼけた店の扉をたたく。

「今行くよ」

 声が聞こえ、瞬時に扉が開く。

「わっ。びっくりした」
 
「ごめん」

「謝らないでよ。大したことないし」

「そう。 …寒くない? 店、入ったら?」

「ありがと」


 店内のソファに座り、ため息をついたフォール。

「どうしたの?」

「それがね…。ザリアニ王国のキャイレアって王子いるでしょ?」

「うん」

「その人がわたしに会いたいって言ってきて」

「…それって」

「実の妹か確かめたいんだって」

「なんだ」

「ん? 何の用件だと思ったの?」

 メストリーは慌てて手を振る。

「や、特に…。その、うん。続けて」

「ふーん、変なの。それでね」

 彼女の話をまとめるとこういうことになる。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ