FALL DOWN
□王女の友人
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「メストー、いる? フォールだけど」
イレカイサ王国の第2王女は古ぼけた店の扉をたたく。
「今行くよ」
声が聞こえ、瞬時に扉が開く。
「わっ。びっくりした」
「ごめん」
「謝らないでよ。大したことないし」
「そう。 …寒くない? 店、入ったら?」
「ありがと」
店内のソファに座り、ため息をついたフォール。
「どうしたの?」
「それがね…。ザリアニ王国のキャイレアって王子いるでしょ?」
「うん」
「その人がわたしに会いたいって言ってきて」
「…それって」
「実の妹か確かめたいんだって」
「なんだ」
「ん? 何の用件だと思ったの?」
メストリーは慌てて手を振る。
「や、特に…。その、うん。続けて」
「ふーん、変なの。それでね」
彼女の話をまとめるとこういうことになる。