□甘い惑星(ほし)
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甘い惑星


とう-とう、と
降り立った先は
惑星でした

から-から、の
痩せた大地を踏んだ
開拓者の細い二本足が

切磋琢磨して造り上げた
肥えた土 豊かな沃野

余力で頬張った
熟れた果実が美味しい


荒れた肌に甘い惑星(ほし)
育てたバラの骨がチクリと痛い
ジワリと眩しい真っ直ぐな日差しの合間から
ときどき滴る雫に
この星は青かったんだね、とまた初めて気づかされる



さん-さん、と
降り注ぐ光は
太陽でした


きら-きらと
照された大きな大地に
四本足の小さな虫が這う

生命の息吹を肌で感じて
手を伸ばし そっと触れた

余力で頑張った
百年間が形になった


根性無しに甘い惑星(ほし)
変な形の竜巻で切った頬が痛い
ジワリと滲んだ赤い血は勝手に癒えていくけれど ここに少しの傷み
あったほうが生きてるって、またきっと感じさせられる


青い青い甘い惑星(ほし)
この星はなんて美しくて暮らしやすいのでしょう

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