□夜と欠陥
1ページ/1ページ

夜と欠陥


夜が泣いて
わたしも哭いた

蹲って 丸まった
頼りない背に
影は 容赦なく
覆い被さった

生温かい感触が
首筋を這う

黒く汚れた指が
大事な所までも
犯してやろう、と
蠢いている

恐いだなんて
思いもしない
わたしは欠陥していた

それでも
月が昇り 夜が泣くと

わたしもたまらず
声をあげて
哭き出したくなるのだ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ