第二期小説 魔法の国の戦闘記

□第9話 隠者
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ダッダッダッダッダッダッ!!!

龍「俺の弟に手ぇー出してんじゃねぇーーぞっ!!」

バキッ――っとすさまじい音と共に見参する龍。

火(なっ―殴ったあぁぁぁぁぁ――!)
リ「龍ぅ――!?」

火図を足蹴にした騎士の顔面に、パンチを食らわす龍。

その後ろに風太と咲記もいて、心配そうにこちらの様子を伺っていた。

騎士は10メートル弱、吹っ飛ばされた。

バキボキと指を鳴らし龍は他の騎士達に睨みをきかす。

龍「さっさと俺の前から失せろっ!

このゴミ虫共がっ!!!」

龍がドスを聞かせば、何人かの騎士達は逃げるように、学園から出ていく。

火図を足蹴にした騎士も、捨て台詞をはいてから逃げていく。
その間、雪兎は何の抵抗もみせず、残りの兵隊に拘束され連れていかれてしまった。




静かになる廊下。


咲「火図……立てる?」

火「うん、大丈夫……いっ」

風「ムリすんなっ!」
二人に抱えられ立ち上がる。

リリィーも立ち上がり、そして龍の頭を撫でた。

リ「あんたっ!よく殴ってくれた!」

龍「べっ……別にっ///!何か、たまたま通りかかっただけだし……///」

顔を赤らめ照れる龍。

火「……ありがとう、兄貴!///」

そんな龍に、痛みを我慢し、微笑みをつくるとお礼を言った。


龍は吃驚した表情を浮かべていたが、直ぐに顔を真っ赤にさせて、ニヤケルのを堪えるため、唇を尖らせムッスリ顔をつくる。

リ「取り合えず、火図の鼻を治療しましょう」

リリィーの合図を受けて、俺達は医務室に行き、鼻に治療を施してもらった。




医務室にはサトミさんが居て、治癒魔法で、鼻血を止めて、骨も治してもらう。

痛みがひいて、あっという間に治った。

サ「ほーぅ 、連合国の騎士がそんなことを……」

咲「こんなのひどいわっ!

連合国の騎士って、あんな野蛮な人ばっかなの!?」
声を荒げる咲記と、悔しそうに唇を噛む風太。

風「ごめん……火図。俺の国の騎士達がっ……」

火「バカっ…お前のせいじゃねぇーよ!

俺が、あの騎士の気に障る様な事、言っちゃったから………。

だから、風太が気にすることなんか何もないよ!
気にすんなっ♪」

風太の肩に手を置く。
風太はもう一度謝ってから医務室を出ていった。

火「……風太」

サ「傷が治ったなら、あんたたちも、さっさと帰った帰った〜」

三人共、サトミに廊下に摘まみ出されてしまう。


龍「さーてと、俺はこれから夕飯の買い出し行かねーと!」

咲「私も植物園に水をやりに行かなきゃ」

龍「お前は?」

火「俺は探す……」

龍「何を?」

火「雪兎さんを助け出す方法を!!」


龍「バカかお前?
相手は連合国の政府直属の騎士だぜ?
ケンカ売ったら最後、この国で生きて行けねーよ!
悪いことは言わん!奴隷にされる前に、この件から手を引け!」

火「嫌だっ!」

龍の厳しい忠告にも火図は引くことはなく、強い眼差しを向けて言った。

龍「む…っ……、なんでそんな生徒会長を助けたいんだ?」

龍の問いに、火図は何かを決心したような表情を浮かべて返事をする。

火「約束したから……。

一緒に雪兎さんの大切な人を助け出すって!」

火図の言葉に、龍はなぜかひそひそと小さな声色で尋ねる。

龍「…それは美羽様かっ?」

火「?……違うけど…」

龍「(良かったぁ〜☆ミ)ふーん……」




あのイケメン雪兎の 大切な人か………。


予想するに、多分あのモテモテ雪兎の好みは、相当な美人でムチムチ プリンッ☆に決まってる!!


まあ美羽様以外に興味はないが、一度位は目にいれとかないとな…///


イヤらしく、ニヤニヤしながら妄想に胸をトキメかす龍のキモさに、どんびく火図と咲記。

咲「…火図のお兄さん、変っ!」
火「知ってる…。」


龍「「お前等っ!全部聞こえてんだけどっ!?」」

バンッ!

サ「「医務室の前で大きな声だして騒ぐなっ!

…それと火図、調べるなら、図書館に行きな。

最近の連合国の裁判所なんだが、証拠の隠蔽や、偽装、汚い手を使ったり、金次第で裁判の勝敗を決めてるって噂を聞いた事がある。

それに、大抵の民衆は法律をよく知らんから、それを良いことに、なんやかんやで、暴力とかで、言いくるめてしまうんだと。

本当に腐った連中だよっ」」

アドバイスと最後に捨て台詞を残して医務室に帰っていってしまうサトミ。

火「とっ取り合えず!俺図書館に行ってくる!法律とか調べてくるよっ」


サトミのアドバイスのもと、学園の中にある図書館に向かい駆け出す火図の背中を見ながら、二人は顔を見合わせる。

龍「…あいつに伝言あんだけど良い?」

咲「?」
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