第二期小説 魔法の国の戦闘記

□第7話 戦車
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大きな爆発音が聞こえてきて俺は抜け道を使い噴水広場にたどり着く。

噴水広場にあった噴水は何か大きなものに踏んづけられたように陥没していた。
周りにはおんなじようにぺっしゃんこにされた死体が地面にこびりついている。

辺りは血の赤に染まっていた。

噴水の前に、パシャパシャと足で血を跳ねさせて遊んでいる人影が見える。
顔は仮面をしていてわからないけど・・・きっとこいつは・・・。

龍「反・・・政府軍・・・・・・」

仮面は龍に気づくとゆっくりと視線を向ける。
するとものすごい速さで駆けてきて、ストレートパンチを繰り出す。
龍「――守れっ!!」
間一髪で胸のあたりに水の球体をだし、パンチの威力とスピードを奪い、その隙に後ろに飛びのき間合いをとる。

龍(あいつ・・・めっちゃ早い…)

ブルブルと腕についた水を払落しながらこちらをうかがう仮面。

パシャパシャと足音を立てながらこちらへと向かってくる。

さっき同様ストレートパンチで攻撃されるが水で防御する。

龍「悪いけど、パンチは俺には届かない!!」

?「…なら!!」

右ストレートを打ち込む。
龍「だから、きかないって―――!」
球体を出し受け止める。……………が、右腕をすばやく手刀にかえ水を裂くように腕を抜く。
そして両腕を地面に置き逆立ちのポーズで体をひねり、回転させ左足で回し蹴りを入れる。
左足は水の球体を切り裂き龍の肩にヒット!
そのまま蹴り飛ばされてしまう。


ガツン!!!っと時計台にブツカリ体に鈍い痛みが走る。

パラパラと瓦礫と同じに体が地面に倒れこむ。
蹴られた肩が今まで感じたことがない位激痛で悲鳴を上げている。
おそらく折れているのだろう。

切り裂かれたとはいえ、もしあの時水の球体がなかったら、俺の腕は蹴り千切られていただろう・・・。

考えただけでもぞっとする。

はぁはぁと肩で息をしながら仮面を睨み付ける。

仮面はゆっくりと龍に近づき足を振り上げる。
真っ直ぐに突き出された仮面の右足。
最後の力を振り絞り紙一重で避ける。
バコンッと物凄い衝撃音がして時計台が崩壊していく。

ほんの五センチのところに今時計台を粉砕した足が俺の顔の横にある。
恐ろしさのあまり顔が引きつる。

仮面は小さく舌打ちをする。
苛立っているのか地団太を踏む。
踏むたびに地面には小さな地割れが出来ていく。


龍「(マジやばいかも・・・・・・・・・・・)」
絶対絶命なピンチに陥る俺に再び仮面は足を振り上げようとする。

もうだめだと覚悟を決め目をギュッと瞑った時だ・・・。
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