寸書

□1ページ物語
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【優しいウソ】

「ミっちゃんおかえりぃ〜〜」



むぎゅーっと音が出そうなほど強く抱きしめられた。家に帰るといつもこうだ。男二人が玄関で抱き合う姿はさぞかし目の毒だろう。ぐっと手に力を込めるが兄貴はなかなか離れない。無言で抵抗するも、力の差は歴然。



「今度こそ死ぬかと思ったから〜。ミっちゃん補給ぅぅぅぅっ」

「う゛っ」



今まで以上に力を籠められ窒息しそうになる。俺の声を聴いた兄貴が急いて腕を緩めるも時すでに遅し。一瞬酸欠のせいか足元がふらつき、倒れそうになる。抱きしめていた腕を俺の腰に回し支える兄貴。



「危ない、危ない」



兄貴はそういいつつ俺の首筋に顔をうずめた。俺はあいていた両手をゆっくりと兄貴の背中に回した。





「さみしかった?」



耳元でささやかれた言葉に顔が熱くなる。それを見られるのが恥ずかしかったから、俺も兄貴にもたれかかる。



「別に」



そういいつつも俺は背中に回した手に力を込めた

【END】



兄×弟です。ちなみに兄は研究職とか、エンジニアとか、きっとそんな感じの職業です(*^_^*)





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