寸書

□1ページ物語
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君に届かないこの手が酷くもどかしい



わざと選んだ大学は、君とは真逆の方向で君から離れる口実だった。



幸せそうな二人を見るとつらかった。

いい人のふりをして、君の背中を押した。



あれでよかったと言い聞かすわりに、いつまでも君は僕の胸に居座る。



君が幸せならそれでいいと思ってた。





離れてみるとよくわかる。



大切なもの、大切な人。





離れようと思って選んだのに





君に届かないこの手が酷くもどかしい





かなわなくても君の近くに居続けたかった



伸ばした腕の先



君に届かなくなっていた







【END】
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