寸書

□青天
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たとえばそれが世に言うマイナーな部活だったら、俺の行く高校になくても何の不思議もない


ただそれがサッカーなら…、ない学校を探すほうが難しいだろう


できれば、もう離れたかった


チームメイトの、あの何とも言えない表情を見ていられなかった



運動特待生が決まっていた高校に何の流れか入ってしまった


俺にはもう資格はないのに



普通に試験を受けて、運動特待生ではなく学力特待として




正直部活なんて入る気はなかったし、入りたくもなかった


何がいけなかったのか、この高校を選んでしまったことだろうか






―――中学3年

当時すでに高校の特待生枠を得ていた俺は余裕をかましていた


全国にも名の通った名門サッカーチームの云わばエースストライカーだった俺は受検なんてどこ吹く風の状態だった



事故だった



右足は使い物にならなくなった



泣きたくなるような治療を受け、何とか歩けるまで回復したもののサッカーをするには遠すぎた


特待は白紙になった



あと少し、あと少し待ってほしくて、悔しかった

今思えば初めての挫折だったのかもしれない


努力でどうにかなるものでなかった

泣くほどの痛みにも耐えた
歩けないこと以前、立てないことの悔しさもあった


でも、やっぱり努力ではどうにもならなかった











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