短書
□くちなしの花
5ページ/16ページ
正直、体の相性は良かった
朝起きた時、軽い頭の痛みと腰のだるさ、目の前に健斗がいたことの驚きは今でもよく覚えている
この時から健斗との関係は始まった
週に2日はほとんど健斗と夜を過ごした
ただ、それはあくまで体の関係
互いにそれ以上は踏み入ろうとはしなかった
簡単に言うならば、セフレというのがいいのかもしれない
そのことに不満などない
ただ、興味はあったのかもしれない
あえてそれを見無いよう健斗と過ごす時間は最小にした
であった日以外二人で朝を迎えたことはない
文弥は何かを恐れていたのかもしれない