† Novel room †
□嵐なる人のとある憂鬱
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「…………まだ、気にしていたのか?」
ゼロにそう聞かれ、ディードは目を瞠目する。
付き合いが長いせいか、ゼロが親友で良かったとつい思ってしまう。
だが…
「お前、そんなキャラだったか…?」
やっぱり、ゼロには女好きのイメージしか似合わない。
赤面したゼロが唸る。
しかも、半泣きで。
「人がせっかく心配しているというのに、お前って奴は……ッ(泣)!」
「あーもう。分かった。泣くな」
「棒読みで済ますな#!」
ゼロが言う”気にしている”とは、トールギス以外に浮かび上がらなかった。
どれだけの実力なのか見ておきたかったが、生憎そんな体力も気力もない。
頭痛が未だに響き、咳も止まらない故に、鑑賞どころではなかった。
こんな体たらくでは要請が出たとしても、足手まといになるしサイズもろくに使えないだろう。
「……ゼロ、頼みがある」