花宴 上

□鈴蘭
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ペインからの命で任務に出ていた
イタチ、鬼鮫、月世の三人は、
森の中で敵の妨害にあっていた。

「お前たち…何者だ!?」

「国境を越えさせるな!」

三人としては単純に道を通りたかっただけだが、
見つかってしまった以上交戦は避けられそうになかった。


「ふん…面倒ですね、イタチさん…
削りましょうか」

「……」

「増援を呼ばれると厄介だし…
鬼鮫さん、やりましょう」

「あまり派手にするな、二人とも」

「ええ…わかってますよ」

鬼鮫と月世は前に素早く出る。
どうやら中忍クラスだったらしく、二人の敵ではなかった。

「あっけないですねぇ」

ほぼ瞬殺だったので、鬼鮫は物足りなさそうだ。

「私たちを見つけたのは気の毒だったね…」 

月世は敵の亡骸を冷静に見つめる。

彼らはそのまま歩き出した。
が、その瞬間背後から殺意が三人の背中をかすめた。

「…!?」

どうやら一人息があったらしく、
最後の力でクナイで攻撃をしかけてきた。
切っ先は真っ直ぐイタチに向かって進んでいる。

鬼鮫と月世はそれをわかっていたが、
イタチにとってはとるに足らない攻撃だ。
月世は気にもとめずに空遁で窒息させ、敵にとどめを刺した。

「イタチ、行こう.....ん?」

イタチの頬にはうっすらと、一筋の傷が走っていた。

「あれ?..イタチそれ..」

「行くぞ、鬼鮫、月世」

イタチはすばやく踵を返すと、そのまま歩いていった。

(さっきのクナイ、避け切れなかったのかな..?)

(いや、イタチがあの程度の攻撃を見切れないはずがない。仕込みのある攻撃でもなかったし...)


(イタチ、なんかあったのかな..)

イタチの後姿を見ながら、月世は首をかしげた。
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