花宴 上

□月下美人
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「あ、サスケ」

温かい昼下がり。うちはの屋敷に向かう途中、稽古帰りらしいサスケを見つけた。
服や顔に泥がついて汚れている。

「月世!また家にくるの?」

私に気づいてぱっと顔をあげたサスケの屈託のない笑顔に、自然と笑みがこぼれる。
サスケはイタチのまねをして、私のことを呼びつけにしている。

「そう、サスケに会いにきたんだよ」

本当はイタチと任務の話をしに来たのだが、サスケがあまりにも可愛いので私はいつもこう言ってしまう。

「え、ほんと?また稽古してくれるの?」

「もちろん」

「やったあ!」

「まあ、イタチより下手だけど我慢しなさいね」

「まあそうだね」

「こら」

「へへ」

少し意地悪そうに、頬を赤らめて笑う顔はイタチに良く似ている。

「でもほんとは、兄さんに会いにきたんでしょ?」

サスケは完全に意地の悪い顔になると、にやりと笑った。

「えっ・・まあ、それもあるかな・・」

サスケは私の気持ちを完全に見抜いている。
そう、私はイタチのことが好きだ。ずっと前から。
幼馴染に恋愛感情を抱くなんて、なんて平凡なのだろう。

「ふふ。まあ兄さんも、月世のこと好きだよ、きっと」

「イタチに言っちゃ駄目だからね」

少し恐い顔を作って言うと、サスケは慌てて首を振った。

「わかってる!言わないよ」

そういうと、ふとサスケの顔に憂いの色が浮かんだ。

「どうしたの、サスケ」

月世は敏感にその変化を感じた。

「なんか最近兄さん変なんだ・・、いつもと違う感じ」

「え?・・うん、少し解るかも・・」
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