花宴 上
□月下美人
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事実、月世もそう感じる節があった。
殺気だっているような、張りつめているような・・
「だから月世、兄さんと仲良くして?」
サスケの純粋なたのみに、またしても頬が緩んでしまう。
「うんわかった、任せて」
話しているうちに、サスケの住む大きな屋敷が見えてきた。
「ただいまー」
「お邪魔します」
玄関に入ると奥から足音がして、ミコトさんが笑顔で迎えてくれた。
いつ見ても綺麗な人で、戦争で一族を亡くし、天涯孤独となった私にとっては
お母さんのように温かい存在だ。
「月世ちゃんいらっしゃい。サスケ、おかえり」
さあ入って、とすっかり見慣れた居間に案内される。
居間に入ると、イタチが書物を広げて読んでいるところだった。
「月世か。任務の話だったよな。母さん、任務の件だから部屋に行くよ」
「はいはい、そうしなさい」
「月世、行くぞ」
「うん」
斜め下からのサスケの目線を感じつつ、頷く。
イタチは書物をしまって席をたった。