花宴 上

□月下美人
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部屋に行くまでの廊下、イタチの広い背中を見ながら考える。
サスケみたいに小さかった背中は、今やこんなにも逞しい。

見慣れた部屋、私は所定の位置に腰掛けた。

「で、任務の話ってなんだ?
お前の実力なら気になることなどないだろう?」

イタチもソファーにゆったりと腰掛けて、じっと月世の目を見た。
月世はイタチの目にみつめられる度に、
心を見透かされているようで不安になる。
今日は特にそうだった。

「うん、あのさ・・」

思わず視線が泳いでしまう。
イタチは明らかに怪訝な顔になり、「どうした」と声をかけた。

「実は・・、任務の話なんかじゃないの」

「・・・・・。じゃあなんだ」

「・・・・。」


鋭いイタチのことだ、私の気持ちなんかわかっているだろう。
サスケにさえバレバレなのだから。
それでも何も言ってこないのだから、
イタチが私のことを、仲間以上の存在と思っていないことは明らかだった。
それでも、どうしてもイタチに振り向いて欲しかった。
イタチのものになりたかった・・
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