花宴 上
□野紺菊
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「私ね、明日重要な任務なの。」
勿論、イタチの捜索のことだ。
「だからサスケに会っておきたくて」
サスケは、そうか、と言ったあと、少し間をおいて尋ねた。
「月世」
「ん?」
「今でも、あいつのこと好き?」
「・・うん。好きだよ」
「・・・なんでだよっ!! あいつは俺の家族をっ・・殺したんだぞ!!」
サスケは勢いよく立ち上がると、もの凄い剣幕で怒号をとばした。
その目は怒りと憎しみで暗く光っていたが、深い悲しみが刻み込まれている。
「確かにイタチは一生かけても許されないことをした・・
それは私もわかってる。でも・・」
「イタチも、サスケの家族でしょ?」
「きっとなにか訳があるはず」
「私はそれを確かめたい・・だから」
月世はサスケをまっすぐ見つめた。
「だから、私がイタチを探し出す。絶対に」
サスケは黙って月世を見つめた。
「オレも、あいつを全力で探す。どんなことをしても」
「うん・・」
サスケは再び月世の横に腰を下ろすと、残りのおにぎりを食べた。