花宴 上

□花一華
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イタチは淡々と、うちは一族について語った。
木ノ葉との確執、陰謀…
うちはの目的。
木ノ葉からの任務。
平和への思い。
そして、サスケへの想い。

月世は目を見開いて、イタチの話に聞き入るばかりだった。
幼馴染としてあれだけ近くにいたのにも関わらず、
月世はイタチの背負う重圧に気づかなかった。

話を聞き終えた月世は、そっとイタチの手を包んだ。
なんとかして、イタチを苦しみから救いたかった。
それが叶わぬのならば、せめて寄り添っていたかった。


イタチの手は大きくて温かくて、優しい。

「イタチ・・ごめん。何もわかってなくて」

川のせせらぎが二人の耳を優しく撫でる。

「オレは後悔していない。
成すべきことを成したと思っている」

「…うん…」

イタチは、自分の手の甲に被さっている月世の手を取った。
握った彼女の手は柔らかく、
瑞々しい花のようにしとやかだった。

「…お前に、できればこんな話を聞かせたくないが」

イタチは月世の手を包んだまま言う。

「…私が、木ノ葉から濡れ衣を着せられた理由…だよね」

イタチの手の体温を感じながら、
月世は目をつぶった。

聞きたいような、耳を塞ぎたいような。

月世はじっとイタチの言葉を待った。
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