終焉
□消去
1ページ/3ページ
悪い子のところには鬼が来るぞ。
少し前までその村で言われていた風習にも近い言葉。その村ではほんの最近まで土葬が行われていた。“鬼”という言葉はただの鬼のことではなかった。
「悪い子のところには鬼が来るぞ……」
合宿所から遠く離れた館の主は一人あくびをしながらモニターを見つめていた。時折あくびを交えながら画面に映る映像を品定めするように眺める。しばらくすると飽きてきたのか主は立ち上がり、うんと伸びをした。
ふわふわのスカートが揺れる。リモコンで部屋の電気をつけると主は机の上に置いてあったダーツを手に取った。もう一度リモコンのボタンを押すと主の目の前にあったダーツボードがくるくると遅くだが回りはじめる。
主は構え、ダーツを放つ。
ダーツがダーツボードに刺さるとボードはゆっくりと動きを止めはじめた。主はその横をすり抜け、部屋を出た。
そしてダーツの結果を横目で見ながらふっと口元を緩める。
「神尾…アキラ、か」