遠回り。
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『うわあああっ!!
何着て行けばいいのよぉおおおお!』
事の発端は昨日の昼休みにさかのぼる…
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「はるっち〜」
『ん〜?なにー?』
付き合いはじめてから二週間がたち、私たちが一緒にご飯を食べるのが普通になったある日、涼太はこんなことを言ってきた。
「明日、仕事オフになったんスけど、デートとかどうスか?」
『え、いいの?』
「もちろんっス!!!」
私たちはデートしたことがない。
涼太は忙しいから、私が無理に誘って仕事の邪魔をするのは嫌だったのだ。
そして、涼太が誘ってくれるのを待っていたら…
というわけで、今日に至る。
ずっと待っていた分、誘われた嬉しさと明日への期待は膨らむわけで
『やったーー!』
「あはっ!じゃあ、どこ行くっスかー?」
『うーん…。
あ!新しくできたショッピングモール行きたい!!!』
「いいッスけど…そんなんでいいんスか?」
『うん!!
ずーっと涼太と行ってみたかったの!』
「はるっち…かわいすぎッス…」
『涼太も格好いい!!』
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というわけで、冒頭に戻るわけです。
今のやりとりが昨日ってことはデートは今日で…
着る服がない。
しかも彼氏はあれですよ??!
デルモなんですよ!?!?
あーーーもう!!
どうにでもなれ!!!
はるは一番前のハンガーにかかっている服を着て、家を飛び出した。