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□真夜中のキス
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「メローネのバカ…」
自室へ戻ったなまえはベッドに倒れ、ぼん、と跳び跳ねた。
「…そうだよ…私のこと好きとか言ってて何も考えてないんだ…」
ゆっくり目を閉じて深い闇に落ちていった。
もぞ…
「…………?」
「ひやぁっ!?」
短い叫び声を上げ、口を塞がれるなまえ。
「駄目だなーなまえは。人の気配ぐらい寝てる間でも察知しなきゃ…」
「メローネ…?」
暗闇の中でうっすら浮かぶ金色の長い髪。
「何考えてるの…?信じられない!勝手に入ってこないでよ…」
「なまえ…黙って。」
ふ、とメローネがベッドに手を付き近付く。
「…んっ…………」
唇に熱い感覚。
ぐ、と肩を押され、布団に倒れ込む。
「あ…メロ…ネっ………はぁ、」
「なまえ…好きだよ…」
少し唇を離し、これまでにない鋭い眼差しで真っ直ぐなまえを見つめるメローネ。
「や…嘘…ん…!」
メローネに再び唇を塞がれるなまえ。
今度は舌が入ってくる−
「んん…っ」
なまえの目から涙が溢れた。
「…なまえ、俺が嫌い…?」
唇をゆっくり離すとそっとなまえの涙を拭った。
肩で息をするなまえはしばらく黙りこんでうつむき、首を左右に振った。
「…ちがっ…私は…メローネのこと…………ほんとはね、だんだん好きになってた…」
そう、暗殺者として歩んできたメローネが心を開いていく内に、彼の見せる意外な素顔を知っていく事がいつからか喜びになっていたから−
「じゃあさ、何であんな態度とるようになったの…?」
「照れ隠しに決まってるじゃない…いつもみんなの前であんな…」
「子供だなぁなまえは。確かに俺は二人きりの時にきちんと自分の気持ちを伝えていなかった。苦しい思いさせて悪かったよ…。ごめんなまえ。」
コツン、とおでこを合わせる。
「いつもあなたに迫られてる時はみんなの前でだった気がするわ。でも今なら素直になれる−ごめんなさい。メローネ。」
「こちらこそ。」
二人は今までの自分達を可笑しく思い、笑い合った。
後日。
「なまえー!愛してるー!」
「うるさいなぁ!任務前に気ぃ散らせないでよ!」
「メローネ…前にも増してなまえアピールが激しくなったな。なぁリーダー。」
「プロシュート、気づいてないのか?なまえもメローネのこと案外思ってるぞ?」
「…は?」
(リーダーには気づかれていたらしい。)