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□甘い一日を!
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アジトのキッチンの前ではなまえが険しい顔をして立っている。
「(うーん…私がチョコ作り…か…)」
甘い一日を!
とりあえずキッチンに立ってはみたものの…
イタリアでの生活が長いなまえはまともに恋愛もしていない為か、異性にバレンタインチョコを渡すという習慣が皆無だった。
「(みんなにはお世話になってるもんね…恩返ししなきゃ。)」
チームの全員にお礼の意を込めて、チョコ作りに挑戦することにしたなまえは、可愛らしいエプロン姿でキッチンに立っていた。
「…なあメローネ。」
「何だいイルーゾォ。」
「なまえがさ、『決してキッチンを覗いてはいけません』と言ってから早20分だが一向に物音が感じられない。」
「…誰かの事を思って何かを作ろうとしているんだろう。そっとしておきなよ。」
ニッコリと余裕の表情で微笑むメローネ。
「しかしなまえは可愛いエプロンつけてキッチンに入って行ったぞ。」
イルーゾォの言葉に反応する。
「………なまえのエプロン姿…だと…?」
ギアッチョとホルマジオが任務を終え、アジトに帰ってきた。
「ん、お帰り二人とも。」
「メローネ、イルーゾォ。二人揃ってコソコソ何してんだ?」
「そうなんだよホルマジオ。なまえのエプロン姿をカメラに収めようとしてね。立ち入り禁止だけどキッチンを覗こうとしてるんだ。」
「サラリと盗撮暴露かよ…エプロン姿とか興味ねぇぜ。」
フン、と鼻を鳴らしすギアッチョ。
「…いやいや裸エプロン姿だよ?(思いっきり嘘)」
「ぶっ…!ま…マジか…?」
「(うっそ、騙されてやがる…単純…。)」
ホルマジオは呆れたものの、そこは黙っておく。
「ん、プロシュートだ。」
みると廊下の向こうに、キッチンに入って行くプロシュートの姿が。
「あちゃー、なまえがキッチン立ち入り禁止してるの聞いてなかったのかな。」
「俺らも覗いてみようよー。(カメラカメラ。)」
こそこそと廊下を歩き、キッチンのある部屋を覗いた。
「プロシュート、危ないから近付いちゃ駄目っ…」
なまえの声がした。