assassino&girl2
□story5
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ななしを襲い、俺らの因縁の敵であるギャング共の始末。その任務がついに俺に回ってきた。
ここ最近鈍っていた所だからちょうどいい。ペッシを従えて今晩任務遂行に挑む。
俺達の界隈を荒らしやがってあの腐れギャング共。今晩はカジノの集金に回る日だそうだ。多分また少人数をカジノに回すだろうから、そいつらを仕留めるだけの任務。
…それにななしが襲われた時のあの姿。ブラウスのボタンを引きちぎられてて…ああ許せねぇよな。
きっと奴等はななしを犯した後、始末するつもりだったのだろう。何処までも下衆な奴等だ。
そんな恨みもあってか今日の俺は少し燃えている。
俺達の名誉にかけて…ななしに手をかけようとした罪を思い知らせてやる。
「(…兄貴今日はオーラが違うぜ…!よし、俺も気合い入れなきゃ。)」
ただならぬオーラを感じて圧倒されるペッシは、その姿に背中を押されたような気分で任務に挑むことになる。
「ペッシ、わかってるな?お前は裏口から回って指示を待て。俺は奴等を尾行する。」
「は、はい兄貴ィ!」
任務とは言え、どちらかと言えばななしを汚らわしい手で触ろうとした恨みの方が闘志を掻き立てていた。
カジノの入口から中の様子をざっと見渡すと、店員に近付く者がいないか確認する。
「…あれか。」
店員に親しげに近付き、奥のVIPルームに通される二人組を確認すると、無線でペッシに連絡をする。
顔には自然と笑みがこぼれていた。こんなに楽しんで任務を遂行するのは久々だ。恨みを持つ者を始末する快感に支配されていた。
しばらくして裏口から悠々と出ていく奴等と距離を詰め、作戦通り一気に畳み掛けた。
「………ッ!」
「うぁっ!」
後は俺達の独断場。
「じわじわいたぶってやりたいがよぉ、時間がねぇ。ななしの恨みだが…あの世へ逝きな。」
「ななし…!?ああ、お前らあの女を匿ってるのかよ…。この事実はリーダーに…ぐぁっ!」
必死に反撃を試みる奴等に隙を与えないぐらいの勢いで始末した。
…呆気ない。任務完了だ。
「ペッシ、そっちは息の根を止めたか?」
「ああ、兄貴!」
「お前にしては早かったな…。よくやった。引き上げるぞ。」
口元に笑みを浮かべ、奴等の亡骸を背に向け、夜の街に消えていった。