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□僕だけに。
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「あ、あのさ、なまえ」





それは花京院が口を開いた事がきっかけだった










僕だけに。







「なあに花京院くん?」



エジプトへと足を進めるジョースター一行の一人、なまえは不思議そうに花京院を見つめる。







「んん?何だ花京院。」

一行の一番手前を歩くポルナレフが振り返り、尋ねる。




「顔が赤いようじゃが、熱でもあるのか?」
ジョセフが花京院のいつもと違う様子を気遣う。





「いや、なまえはいきなり僕に服を引っ張られても驚かないかな…?」



「え???」





なまえは花京院の言いたいことが全く理解できず眉をハの字形に作っていた。











「………そういうことか。やれやれだぜ…」



花京院の視線の先を追った承太郎は早々と察しがつき、帽子を目深に被り口角を上げた。






「なによぅ…二人して…どうかしたの??」
ここまで来ると気になって仕方ない。そんななまえに勢いよく花京院が近づく。












「し……失礼ッ!!!」











バサッッ






そう言って花京院はなまえのスカートの裾を引っ張った。いや、正確に言うとなまえの持つ荷物に引っ掛かり、完全に捲れていたスカートの裾を下ろしてやったのだ。




「ッ!!!!????」






突然の出来事に承太郎を除くジョースター一行は驚いた。





「か、花京院………?」
顔を真っ赤にしたなまえは状況を理解した。











「す…すまないッ、みんなの前でパンツが見えてるだなんて言うのも気が引けて…」







花京院はもはやなまえを真っ直ぐ見ることが出来ず、目が泳ぎっぱなしだった。











「花京院!そう言うのはもっと早く言え!自分だけいいモン見やがってよー。」



「ポルナレフ!やめないか…」
なまえの気持ちを考慮したアヴドゥルだが自身も笑みを浮かべている。









するとなまえは我に返り慌てて切り出した。
「いいのアヴドゥル!それにポルナレフならデリカシーないから『パンツー丸見え』とか言うんだろうなぁ!」





「そのとおり!」



「鼻高々に言ってんじゃないわよ」





キッと睨むなまえから目を反らすポルナレフ。



「ま、まあ花京院の気持ちは分かる。なまえを一人の女性として気遣ったのじゃな。さあ、みんな旅路を急ごうか。」



苦笑いしながらみんなを急かす纏め役のジョセフ。





「ちぇっ。しばらくレディの下着姿なんて拝んでねぇな…」
と、呟くポルナレフ。





















「…花京院くん」



雑談に沸く一行の後ろを歩くなまえが花京院にそっと耳打ちした。









「ありがとね。花京院くんのそういう所好きだよ…」





「!なまえ…」








穴があったら入りたいと言わんばかりに赤面した花京院。








本当はみんなになまえの下着を見られたくなかったというのが本心だったと言うのは本人のみぞ知る事だった。

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