あなたの未来のために・・・
□学園アリス
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文化祭二日目模擬店祭。志穂の奴隷ということで、ちょっと蜜柑が気がかりだが志穂とまわる。
「やっぱこっちのほうがいいわ」
「しかし…茶髪とは…新鮮だ」
志穂が私の全身をじろじろと眺める。身長が高いから見下される感じ。確かに今は16歳の姿で茶髪のボブに眼鏡だけど…。制服は高等部に行った時のを拝借。
「大変だねえ…。歌之も」
「まあね…」
そんな会話をしながら技術系へ向かう。理由は甘いものが食べたいからという志穂と私の意見の一致。
「ならアンナちゃんのケーキ屋行こう」
「ほお…。初等部のお友達か!」
何故か無駄に興奮する志穂を無視してケーキ屋に入った。すると偶然にも蜜柑達に遭遇。
「林先輩や!」
蜜柑が志穂に気づいたみたいだ。私は先に席につく。
「よっすー!お、ルカくんも一緒か!そんで君が日向棗くん…と」
「林先輩、せんかは?」
「ん?あの子なら坂倉と一緒なんじゃね?なんか手伝ってとか誘われてたぞ」
大嘘。普段サボるために言い訳を何個もストックしてある志穂だからできるわざだ。
「なんやー…」
ごめんね、蜜柑。落ち込んでいる蜜柑に心の中で謝る。