あなたの未来のために・・・

□学園アリス
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クロスside


「おい、日向」



「…何の用だよ」



「どーせ抜けんだろ。ついてく」



まったくクソ生意気なガキだなこいつ。その赤い鋭い瞳で睨みつけてくるのを睨み返してため息交じりに言う。



「……ストーカーか」



「んなわけねえだろーが。お前なんかストーカーしたって意味ねえよ」



百歩譲ってするとしら歌之だ。反応が面白そう。



「トイレそっちじゃねえぞ」



「……トイレ前休憩」



「んじゃ俺も」



日向とバルコニーを越えて本部の内容を盗み聞きする。まさか生徒がいるなんて思わないだろ。いざと言う時はアリス使って逃げる。



「今井は今後の状況も読めないような重体で…」



「…今井の両親は長らく娘を引き渡すまいと逃げ続けた一件がある。そこから考えても校長が面会を許されるとは思われん」



そのまま連れて帰りそうだもんな。言い分はわかるが人間的には酷い。校長の許可がない限り教師もなにもできない。



「…しかも今回の行動の同行者はあの佐倉蜜柑ときてる。そんな状況であの校長がこのままで済まさないことくらいお分かりだろう。……ただでさえあの娘はーー」



その先に続く言葉は日向にとって衝撃的だったに違いない。俺だって知らなければ日向と同じリアクションをしていた。



俺も歌之も今喋ってる教師も当時のことを知っているからこそわかること。



「……おい坂倉。お前知ってたのか」



「知るわけないだろ。そん時俺、多分仕事だったんじゃねーの」



けらけら笑って言えば思いっきり睨まれた。いつも睨むから悪い目つきがデフォになんだよ。



そしてだらだら歩いてると病院にたどり着いた。そういや歌之の友達が撃たれて運ばれたんだっけか。



「……ペンギン?」
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