あなたの未来のために・・・

□学園アリス
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「あのさ・・・なにがアリスは特別だぁ?一般人はひきたて役だって?ふざけんのも大概にしろよ。なんならアリスは世間のひきたて役だ。アリスっだて人間、働かないと死ぬだろ。それにそんなに疑ってんなら鳴海にでもきいてこい。・・・あ、言い忘れてたたけど、てめぇらがアリスでない人より上のものはその腐った根性だけだとおもうぜ?アリスに胡坐掻いてっといつか痛い目みるからせいぜい気をつけな」




そういって私は流架くんにうさぎさんを返すと教室をでた。扉が閉まる寸前に棗少年と目が合ったがすぐに逸らした。




「はぁ・・・やっちゃった・・・」



薬作りのアリスでつくった『年齢を退化させる薬』の効果を一時的に停止させる。だから今の私は本来の16歳の姿だ。




私がいるのは北の森。木の上にいるから上を見ない限り見つからない。それをいいことにシャツとスカートだけというありえないほどの薄着。




「お?あそこにいるのは蜜柑たちじゃん」




なにやらがんばっている様子。どうせ北の森を通って高等部に足でもつけて来いって感じだろう。高等部と言えば・・昴と秀一と・・あいつか。




「行きたいけどあそこ絶対千里眼の範囲だからこの姿で映るとやばいよなぁ・・。ナル兄にはお母さんから連絡いってるっぽいからいいんだけど・・」




面倒くさいから追いかけるのはやめよう。そうしたらどこに行こう・・。




「高等部は・・だめだ。昴たちに説教くらっちゃう」




どうしようか悩んだ挙句に昔こっそりあいつと遊んでいた場所に行ってみることにした。十年も前なのでうろ覚えだが記憶の糸を辿り、『身体能力が異常に向上する薬』で木を駆けながらそこに向かう。



「あれ?小屋?」



そこには小さいが立派な小屋が建っていた。不思議に思い扉を叩く。扉は数秒後に開いた。




「ったく・・ベアは不在だけ・・・ど・・・」




「・・・クロス・・・?」




「まさか・・本物の歌之?」




扉を開けたのは昔よく一緒にいた坂倉クロスだった。
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