あなたの未来のために・・・
□学園アリス
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「ひっでーな・・・。このクラス」
私が中学の時のクラスみたいだ。頭を掻いていると大人しめの男の子が話かけてきた。
「あ・・あの、初等部B組へようこそ佐倉さんに黒崎さん。僕クラス委員の飛田裕です」
「そういえばあいさつがまだだったね。私は黒崎せんか。好きに呼んで」
「私もまだだったわね。私は今井蛍。この馬鹿の友達よ。よろしくね」
握手を交わす。私は飛田君に向き直ると飛田君にも握手を求めた。遠慮がちに握ってくれた。うん、可愛いなぁ・・・
「あの・・それでこんなクラスで困惑しちゃってるかもしれないけど・・困ってる事、分からない事あったらなんでもきいてください」
さっそくこのクラスの現状について知りたいかな。蜜柑もこのクラスで仲良くはつらいかもなぁ・・。
「おい委員長。なんだよこいつら?」
「あ・・・彼女たちは・・」
「片方は知らないけどもう片方は校門前で話してるの聞いた。ナルが連れてきた新入りらしーね」
驚いている蜜柑は蛍ちゃんが説明してるのに聞いていない。むしろ聞こえていない。
「ねぇ・・蜜柑・・・蜜柑ってば!!」
廊下に戻ってきた私達。
パカーンと馬の足のようなもので頭を叩かれた蜜柑。痛そう・・・。蛍ちゃんは怒らせないようにしよう。
「あんたがどんなアリスをもってここにきたか知らないけど、一つだけ言っておく事があったわ。ここでは一切他人ってことでよろしく。黒崎さんは別ね」
「そりゃどーも」
それだけ言うと教室に戻っていった。私も慌てて後を追う。蜜柑も入ってきて私たちは紹介された。
「今日から新しいお友達の佐倉蜜柑さんと黒崎せんかさんです。仲良くしてくださいね」
「佐倉蜜柑です。どうぞよろ・・・」
最後まで言い終わらないうちにいろいろなものが飛んできた。まじふざけ。アリスで飛んできたものはアリスで倍返しにして飛ばしてきた人に飛ばした。
「黒崎せんかです。別に仲良くしなくていいのでものを飛ばさないでください」
そう言って笑顔で飛んできたものを飛ばし返した。静かになった。頭を抱えてうずくまっている担任らしき人に席を聞いて、蜜柑と一緒に後ろの席に向かう。
「隣よろしく」
挨拶をしながら座る。ちらりと隣を見るとなんと私の腕を掴んだ金髪少年だった。確か・・流架と呼ばれてた。
「え・・・あ、お前・・・」
「偶然だね。ん?うさぎだー!可愛い!!」
おいでーとジェスチャーすれば、飛び込んできてくれた。可愛い!!
「信じらんない!その子自分のアリスも知らないの!?」
蜜柑が棗っていう子に突っかかって持ち上げられて心読まれたと思ったら今度はなんだ。アリスうんぬんの話にまで発展しだした。
「ーーーアリス以外の人間なんてアリスに群がって恩恵を受ける寄生虫か手足となる働きアリ・・・いわば引き立てやくよ。私達は選ばれた人間なの。使い捨てのいくらでも代わりのきく一般庶民とは人間の格が違うのよ」
ブチ・・。私の中で何かが切れた。