あなたの未来のために・・・
□学園アリス
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最悪だ。今日はずっとこの言葉が頭を巡っている。
「本当にあり得ない・・。なんで私が検査入院しなきゃなんないの。しかも日向君と同室」
「俺が知るかよ。お前が勝手に入院してきたんだろ」
「熱出しちゃったの!そしたら急に検査入院だもん。挙句の果てに病室空いてませんって言われて今に至る」
「チッ・・タイミングの悪い」
「ま、アリス使いすぎによる副作用だとは思うんだけどなぁ・・」
病院服ってどうにも慣れない。胸はきついし、裾は長いし。
「お前・・アリスなんて使ってたのかよ」
体調の宜しくない棗少年が意外そうに訪ねてきた。心外な!
「使ってるよ。一見目立たない効果だから分からないかもね。日向君にも一回使ってるんだよ?『アリス倍返し』を。ほら、北の森の時」
それで思い出したようで苦々しい顔をした。
「そういや今日・・毛利レオが視察に来るって噂だよね」
「知るか」
つまんない反応だな、オイ。まあ・・過度な反応示されても困るけど。
「寝るか・・」
最近寝不足だったからゆっくり休めるのはありがたい。こっそり『年齢の退化する薬』を水と一緒に流し込んだ。これで一日は持つ。
棗少年が寝たのを見計らい私も布団に潜った。