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□痛覚緩和薬
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痛かった。

私はずっと、独りぼっちで、痛くて、痛くて。


自分の居場所が無くて、帰る場所も無くて。



毎日一人で、声をからして泣いていた。




そんな私に大丈夫と、好きだと言ってくれたのが、彼氏である赤司くん。



皆が見てみぬふりをしていた私の痛みに気づいてくれた、私を痛みごと包んでくれた、大切な人。



私の唯一の、支えであり、帰る場所。





「いおり、またお父さん?」


こくりと頷けば、黙って私を抱き締めて、ごめんね、と言う。


赤司くんが謝る事じゃないのに。



私があざを作るたび、一つ一つにキスをして、ごめんね、痛いだろう、と呟いては悲しい顔をする。



私が仕方ないことだからって言うと、ひどく泣きそうな顔をする。



そうして最後にいつもぎゅっと私を抱き締める。


「赤司くんありがとう。ごめんね」


「礼を言われることはしてない。いおりは謝るようなことをしてない。」


ぎゅっ、と私を抱き締める赤司くんの力が強まる。



彼はいつも、私と同じように心を痛めてくれて、それがどうしようもなく悲しくて、申し訳ないのに、嬉しいと思ってしまう自分がいる。



「高校を卒業したらすぐ同棲しよう。僕はまだ子供だから、今いおりを助けてあげられないけど、必ず僕が幸せにする。今の辛いことも痛みも、忘れるほど君を幸せにするから、」



だから、と赤司くんが震えた声で言う。



彼の顔は見えないけれど、きっと泣きそうな顔をしているだろう。



私も、彼を抱き締める腕にさっきよりも力をこめる。




「だから、どうかそれまで生きてくれ。」



あざだらけの左腕には、生々しいカッターの跡。



本当は死んでしまおうと、追い詰められていたけれど。



「うん。死なないよ。私、耐えるから、二人で大人になりたいから、」



赤司くんの温もりが私を支えてくれるから、痛みも辛さも、耐えられる。



私はひどく弱いけれど、あなたとなら、きっと幸せを願えるから。



だからどうか、神様。



私たちを早く大人にしてください。
 

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