長編
□03トークタイム
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学校が終わり、いつものように病院へ向かおうとしていた放課後。
ふいに声をかけられた。
「ねぇいおり、今日アスカとカヲルくんのとこに行こうと思ってたんだけど、一緒にいいかな」
「バカシンジ、あたしはあの変態に会いに行くんじゃなくていおりとお話するために行くのよ!お、は、な、し!ガールズトーク!」
「ご、ごめん」
振りかえれば見慣れた顔。
ほんと、この二人は仲がいいというか、一緒に居て賑やかで、見てて楽しい。
「二人とも来てくれるの?嬉しい!」
嬉しくなって、つい声を大きくしてしまう。
行こう?とアスカとシンジくんの手をとれば、言い合いをやめて満足そうな顔をする二人。
病院までの道のりも話題がつきる事はなくて、いつもよりも短く感じた。
「カヲルくん、ただいま!今日はアスカとシンジくんが遊びに来てくれたんだよ」
「やあ、久しぶりだねカヲルくん。元気そうで良かったよ」
「本当、変態がくたばってないみたいで安心したわ」
そういって笑う二人を見て、カヲルくんも微笑む。
こうやって皆で話すのはひどく久しぶりのような気がする。
というより、ネルフ以来、だろうか。
「二人とも来てくれてありがとう。久しぶりだね。僕は元気だよ。」
「私は毎日会っているから久しぶりって感じがしないけど、皆でっていうのは一年ぶりくらいかな」
「いおりは変態ばっか相手してて最近放課後遊んでくれないんだもん、アタシつまんないんだから」
アスカがぷーっと頬を膨らませる。
「ごめんごめん。今度のお休みに街でもいこ」
「もち!決まりね。」
「楽しみにしとく!あ、カヲルくん、なにか欲しいものとかあったら買ってくるよ?」
「うん?僕のことは気にしないで、楽しんでおいで。そしてその話を聞かせてくれたら僕はそれでいいよ」
「じゃあカヲルくん、その日は僕に英語…教えて貰っても…///」
盛り上がっているとふいにシンジくんが照れながらそう言った。
それを見たアスカがすかさず茶々を入れる。
「それがいいわ。変態、教えてやって、シンジ英語が赤点ぎりぎりだったのよ」
「「まじで」」
「う、うるさいな!カヲルくん、頼むよ…っ」
「分かった。なら、みっちりやろうか。ね、シンジくん。」
「あはは…」
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なんて笑いあう。
話題はころころと方向性を変えては繋がって。
皆で話す時間はあっというま。
もうすぐ、日もくれる。
来年の今ごろにまた、皆でこうして笑っていられたらいいな。