長編
□06お花見計画
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お父さんの一件も片付いてはや二日。
元通りの元気を取り戻した私はカヲルくんと二人、病室でお花見の計画を練っていた。
「いおり、ここなら病院から徒歩10分で行けるよ。」
「わ、ほんとだ。桜も綺麗そうだし、ここにしよっか。」
「ふふ、そうだね。」
カヲルくんが外出できる時間は限られている。
だから、なるべく近くで、お花見の時間がたくさんとれる場所にしようと話し合った。
無理をして体に負担をかけてはもともこもないし、何より私がカヲルくんに無理してほしくなかったから。
幸い、近場の良さげな場所を発見できた事と、明日が休日ということもあって、早速明日お花見に行くことになった。
「お菓子とか持ってこっか!あ、お弁当も作るね!えっとなに食べる?」
「いおりのお弁当は楽しみだな。僕君の作る卵焼きが好きなんだよ。」
「えへへ、卵焼きね!全力で作らせていただきます!」
「はは、いおり、はしゃいでるね?」
テンションの高まった私を見て、カヲルくんが笑う。
カヲルくんも楽しそうな笑顔を浮かべてくれている。
それが嬉しくて、更にテンションが高くなり、饒舌になる私。
そんな私の話を聞いて、カヲルくんがまた笑った。
明日のために、今夜は早く寝ることにしよう。