red story

□入学
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「はっ....ハァハァ」


あの声が俺の夢から消えてから間もなくすると俺は目覚めた



あの夢はあの頃と何も変わらずあの日からずっと何度も何度も見せられる


「.....ん」


時計を見れば半時早く起きていた

今日は中学を卒業する




「「「迷わないで」」」




この夢が止まるのはいつなのだろう



取り合えず身体を起すと目覚ましを止める



寒気を感じて腕を摩ると服が寝汗をかいていたことに気づく


「どうりで寒いな....」


1つ溜息を漏らすとカーテンを開けて空を喘いだ

庭で咲いている桜が丁度舞っている



「綺麗だ....」



自分の声でハッとなった
こんな言葉前にも一度言った覚えがある




















そう、それは丁度男子バスケットボール全国大会前で京都に合宿していた時だった


「そこ、ペースが落ちているぞ」


「もっと腕を上げろ」


俺が合宿で指示に声を上げていると休憩していた緑間が提案してきた



「赤司、最終日なのだが練習を早めに切り上げて神社にお参りでも行かないか?」



「神頼みに縋るようではなっていないな緑間。」



「そうではないが、時に大会に持って行くラッキアイテムを清めてもらいたいのだよ」



「だが...」


「あれ?何の話してるの?」



否定もできないまま話し合いをしていると桃井がやってきた


「神社に行こうと誘っているのだよ」


「え!行きたい!行きたい!どこの神社?私縁結びの神社行きたいなぁ〜」


やはり食いついたか
緑間の誘いに一票入れるとそれはもう止まらない


「安心しろ。あの神社は恋愛、知恵、美容、芸能、勝負の神が宿る場所なのだよ」


「え?!マジッすか!!!芸能の神とかいるんスね!行ってみたいっす!!!」


「ふーん?お菓子の神様とかいないの〜?」



あっと言う間に話はレギュラー陣を囲んで相談になっていた



「はぁ...少しだけだぞ」


「やったぁ!」

「よっしゃあ!」

「美人な巫女いんのかな」

「...お菓子の神様」


こうして行くことになった
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