Late confession
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――今、何が起きてる?
「……。へ?」
その答えは暫く待っても出てこなくて、ポカンと口を開けて固まっている一君と藤堂君を見ながらあたしも固まっていた。
その間もあたしを包み込む力はきゅッと強くなり、ドクンドクンという音が速くなっていくのが分かる。火にでも当たっているかのように頬は熱くて、それは耳にまで及んでいた。
「…お、沖田、くん?」
「……」
事が急過ぎて、本当は叫び周りたい気持ちも通り越して冷静に声をかけた。でも沖田君はだまったまま、じっと動こうとしない。
「……」
「……」
――誰か、たすけて。
「!な、なな、なな何してんだよ!?」
「……」
そんな祈りが通じたのか。藤堂君は真っ赤になって叫んで、一君も真っ赤になって聞きとれないくらい小さな声で何事か主張している。この手の事は苦手なんだね一君…!
ワタワタするだけで藤堂君も宛てにならないので、脱力した両手を叱咤して自ら沖田君の背中を叩く。ぺしっと、なさけない音がした。
「お、沖田君、放してくれますか」
「……」
「(沖田くーん…!!)」
いつまでも返事が無い。抜け出そうとしてみるけど体に上手く力が入らない…以前に、沖田君の力が強くて叶わない。でも何とかしないとって事は分かるからぺしぺしと叩き続けた。
「(人が、人が増えたら…!!)」
否。寧ろ人が来てくれた方がたすかるのかな?いやいや、こんな所はもう誰にも見られたくないし…!
「…奏ちゃん」
「え!?」
そうアタフタするあたしの耳元で、久々に沖田君の声がする。放してくれる気になった!?期待全開で聞き返すと、もぞっと栗色の髪が鼻をくすぐった。
「……もう少しだけ、許して」
――カっ!と、それまでと比べものにならない程、体が暑くなる。
人の目が有るからっていう事よりも…もう、もうとにかく暑くて仕方無い。また気を失いそう、寧ろ失いたい。気を失った方が楽な気がする。
「…奏…」
何かがじわりと零れかけた、…直後。
「お前等!奏は目ぇ覚ました…か…」
一気に、体が冷えていくのをかんじた。