Late confession

□EX:04
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「……ねえ、左之さん」

「ん?」

「女の子は、何色が好きなんですかね」

「……は?」


「ああ、誤解しないで下さいね?巡察中に町で見掛けた女の子達が、何色の簪を買うかで時間を掛けてたから」

「あ、ああ!ナルホドな(女でも出来たのかと…)」


「それで、どう思います?」

「自棄に拘るんだな。…奏に渡すもんでも選ぶのか?」

「……」

「(だんまりか)……でも、そうだなあ」


 話に出た簪を買うつもりなら、模様次第で似合うものも変わる。第一、人が選んだものを選んで総司のような人間は納得するだろうか。


「(…あ。待てよ、そう言う事なら―)――俺は茶色なんかイイと思うぞ」

「え?」

「茶だよ、茶!奏に合いそうだろ?女はあんまり選びたくねえ色かもしれねーが、そこを逆手にとるんだよ」

「……」

「それも、ただの茶だぞ?何も描かれてないものだ」

「……左之さんにしては、地味なものを選ぶんですね」

「地味?んな事ねえよ。俺はあくまで、奏に合うものを考えたつもりだしな」

「本当に?…僕は、茶なんて止めた方がいいと思うんですけど」

「ほお。ならお前は、どんなものを考えてるんだ?」

「黄、ですかね。あの子うるさいし…。飾りはあまり付いてない方がいいかな?とれた時、とれたとれたうるさい筈だし。絵は…適当に、花でも描かれてたら」

「桃色の選択肢はねえのか?」

「あはは!そんな女の子過ぎる色、奏には勿体無いですよ」

「あーあ、それ本人の前で言うなよ?」

「さあ、どうでしょう。…まあ、答えてくれて有り難うございました。参考になりました」

「おう。イイの選んでやれよ」


 ――ぱたん…


「…たく、やっぱ自分の考えは持ってたか。それをわざと引き出してやんねーと言わねえんだから、本当に世話の掛かる奴だな」



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