約束

□第1話
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桜が咲き乱れるこの季節。蒼い空をバックにし、桜の木が心地よさそうに揺れていた。




(毎年思うけど桜ってやっぱり綺麗だよな)




今日は俺達万事屋と新八の姉と一緒に花見に来ていた。
途中から何故か真選組のヤローが乱入してきたが。




神楽はあのドSと取っ組み合いしているし、新八は自分の姉がゴリラに殴りこもうとしているのを必死にとめている。




当の俺はというと、特に何もすることがないのでボーっとしながらいちごミルクを飲んでいた。




しかし、大好物であるはずのいちごミルクが喉を通らない。




いや別に飲めるっちゃあ飲めるのだが、今日は何故かがぶ飲みする気になれなかった。



空を見上げると、雲1つない晴天だった。



(今日は...あいつがいなくなった日だな。


お前は今、何処にいる。何をしている...。)




「...桜。」



「銀さん?どうしたんですかボーっとして。らしくありませんよ。」




1人うわの空だった俺を不思議に思ったのか、新八が眉を寄せながら声をかけてきた。





「なんだよ新八か。びっくりさせんなよ。銀さんびっくりして、いちごミルク吹き出しそうになったじゃないか。」



「なんだとは失礼ですね...。


それより銀さんさっきから声を掛けても全然反応しませんでしたよ。何か考え事でもしてたんですか?」



「え?俺全然気づかなかった。新八がいたことすら知らなかった」



「僕は地味ですけど影は薄くありません!!」



「冗談だよ冗談。」




俺のボケにすかさずツッコミをいれてくる新八に苦笑いしながらいちごミルクを一口飲む。




やはり今日はあまり飲む気にならない。




「というか銀さん、さっきから僕の質問無視していませんか?」



「別に無視なんかしてないよ?ただ答えるのがめんどくさいから、聞き流していただけだよ?」



「だからそれ無視してたってことじゃねーかああぁぁぁ!」



「あ、ばれた?」



「ばれたじゃねえよ!無視してるのもろ分かるわっ!!」



「はいはい悪かった悪かったよ。ちゃんと話聞くからそう怒んなよ。」




いつものようにキレている新八をなだめる。こいつ、ぜってえストレスの溜まりすぎで将来はげるな。
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