×また子受け
□正反対の奴って意外と気が合う
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「静かだな…」
ゴールデンウィーク終盤の今日、
部活もなく家で勉強をしていた
(一応受験生だからな)
しかし、まぁ
家に一人で居るとこんなに静かなんだな
勉強も一段落つき、暇にしていたところ
ケータイのバイブが響く
総悟あたりか…?
ケータイを開くと、
電話ではなくメールだった
最近見慣れてきた画面の名前に少し驚く
《おはようッス\(^o^)/
今日暇ッスか?
暇なら1日付き合って欲しいッス♪
また子》
「おはようって…
もう昼だけど?」
ぷっ、と笑う
きっと今起きたんだろうな、何て
容易に想像がつく
《もう昼だぞ
特に予定もねぇから
俺でいいなら1日付き合うぞ》
すると直ぐに返事が来た
《よかったッス(*´`*)
それじゃあ、
12時半にハ〇公前で+。》
了解、と短く返し、
身支度を始める
─────────────…
待ち合わせ場所につくと、
まだ来島の姿はなかった
それにしても、
やっぱり家から出ると騒がしいな
「ん…来島か?」
ケータイのバイブが鳴って、
ケータイを開く
近藤さんから電話だ
「もしもし」
《あ、もしもしトシ?
悪いな〜急に
今何してる?》
「何って…人待ち…?」
《それじゃあ家に居ないの?
まさか女───…》
「ん、来た
大した用ねぇみてぇだから切るぞ、近藤さん」
《あ、ちょ──…》
ケータイを閉じると同時に来島が駆けてきた
「ごめん、お待たせッス」
「いや」
私服で会うのは初めてだが、
予想していた服と大体同じだ
「じゃっ、行くッス!!」
「うわっ!?
ちょっ、落ち着けって!」
俺の手を引っ張って来島はどんどん進む
「どっか行きたい所あるのか?」
「土方の行きたい所ッス!!」
「は?」
「どこ行きたいッスか?」
何で、と聞こうとしたが
来島が期待して見てきたから
素直に答えることにした
「映画…かな?」
「私も映画好きッス!!
何にするッスか?」
「お前の好きなのでいいよ
特に見てぇのねぇから」
「本当ッスか?
それじゃあ…」
来島が選んだのは
やはりというか、何と言うか、
案の定、恋愛ものだった
正直俺はこの手の映画を見ない
でも隣で来島がうっとりと見いっていたから、
まぁいいや、と思った
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