×お妙
□strawberry rain
1ページ/2ページ
「御用改めである、
真選組だ!!」
敵、敵、敵
斬って、斬って、斬って
いつからか攘夷が勢力を増した
その度に彼奴は不安そうな顔をした
『土方さん』
『あ?』
きゅ、と服の裾を掴んで
その瞳が、潤んでいる気がした
『絶対に、無理しないで下さいね』
『……』
『私独り、置いてっちゃ嫌ですよ』
『……』
『待ってますから』
そして笑顔で言った
『いってらっしゃい』
<絶対、帰って来て下さいね>
「──…嘘吐き」
ぽつり呟いた言葉は雨に溶けた
strawberry rain
深紅色の 雨が降る
.