×お妙

□Trick trick trick
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「お妙さん!!」
「だから、高校でその呼び方はどうかと」
「そうですね、じゃあ妙りんとか妙っちぐぉっ」
「志村でいいです」
「じ、じゃあ志村さん」


いつになく真剣な顔付きで話しかけてきたゴリラさんにとりあえず耳を貸す


「あの、た、誕j」
「近藤さんとっつぁんが呼んでやしたぜ」
「あ、ああでもちょっと今は…」
「ほら、早くいかないとケツバットになりやすよ」
「え、ちょ、総悟君!?」


沖田くんがゴリラを押し出す

それを何となく見ていたら目が合った


「すいやせんね姐さん、近藤さんがまた」
「いえ
何だか真剣な顔でしたけど、いいのかしら?」
「ああ、大丈夫でさァ
どうせ後でわかりやすよ」
「?」


意味を掴み損ねていると、
沖田くんは私の隣の席に腰かける

因みにそこは沖田くんの席じゃない


「それより姐さん
渡したいものがあるんでさァ」
「渡したいもの?

何かしら、怪しいものはやめてね」
「大丈夫ですよ
プレゼントなんで」
「まあ、プレゼント?

珍しいわね、沖田くんからプレゼント何て
どういう風の吹き回し?」
「今日は何の日かわかりますかィ?」
「今日?
今日は…」
「沖田さんっ!」


口に人差し指をあて考えていると、
後ろから山崎くんが来た


「何でィ」
「ひっ!!い、いや

副ちょ…副委員長に怒られますよ!!」
「あの野郎がちんたらしてんのが悪ィんだよ」
「いや、そんなこと言ったって…」
「山崎くん、どうかしたの?」
「あ、いえ
ちょっと沖田さん借りますんで!!

ほら、行きますよ!」
「ちっ、ザキの癖に

すいやせん姐さん、また」
「ええ」


今日は何だかそわそわと落ち着きがないわね

何かあったかしら?


「いけない、次体育だわ

着替えないと」


荷物を持って廊下に出てると、

階段の踊り場で少し意外な人物に声をかけられた


「志村」
「あら、高杉くん

珍しい、今日は早いのね」
「まぁな」
「来島さん達は?」
「まだ来てねぇんじゃねぇか」
「まあ、知らないのね」


くすくすと笑ってみると高杉くんも口許を緩めて微笑む


「あ、私行かないと…」
「志村」


壁に背中があたる

髪を撫でられ、そのまま頬に手が触れる


「高杉くん?」
「妙」
「はいストォップー」
「先生」
「銀八…」
「高杉、来島達が探してたぜ?
早く行ってやったら?」
「ハッ、いんだよ別に

だかまあ…」


高杉くんが先生から私に視線を戻す

私の頭に手をぽん、とおく


「今日はここまでだ

またな、志村」
「あ、ええ、また」


高杉くんがひらりと踵を返し歩いていくと、

銀八先生に腕を掴まれた

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