×また子受け
□話さないとわからないこともある
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───────────…
「ハァー…」
適当に校内を歩きまわり、
普段あまり使われていない階段の踊り場に腰掛けていた
「私の誕生日何て誰も知らないッスよね…」
また子達は登校したばかりだが、
登校したのが四時間目の半ばだったので
今はすでに昼休みだ
「う…お腹すいた…」
また子の気分がどんどん沈んでいくなか、
「…何やってんだ、こんなとこで」
「!土方っ…」
土方が来た
一人だ
「そ、そっちこそ何やってんスか?」
「……ここの階段登ったら、裏屋上なんだよ」
「裏屋上…?」
「いつも行ってる屋上と離れてる、ちぃせぇ屋上」
「へぇ…知らなかったッス」
「誰もこねぇから、穴場なんだ」と土方は胸ポケットから煙草の箱を覗かせ指差す
「…お前も、来るか?」
「え、いんスか?」
「まぁ、元気ねぇみたいだし…」
「!!あ、ありがとう…ございまッス//」
また子は土方と裏屋上へ行った
普段特別一緒に居るわけではない
寧ろ、全くと言っていいほど私情では話さない
風紀委員の仕事か、
クラスの何かでたまに話すくらいだ
「いつもは彼奴等…沖田達と来てるんスか?」
「いや、誰にも教えてねぇよ
たまに一人で来るんだ」
「え!?いんスか、私なんかに教えちゃって!?」
「…何となく
高杉達には言うなよ?」
「ぅ、うん…//」
普段誰にでも(多少崩れてはいるが)大体敬語をつかうまた子は、
うん、と頷いただけで距離が縮まった気がした
「お前、今日は高杉達と一緒じゃねぇのか?」
「!…あ、えっと…」
しゅん、と落ち込むまた子をみて
居たたまれなくなった土方は
また子の頭を撫でてやる
しんと静まり返った空間に、ぐぅっとお腹の音が
「あ゛」
また子は死ぬほど恥ずかしかった
それはもう顔から火がでる程に
「ち、違うッス!!えっと、これはっ…」
「…食うか?」
そう言って土方がまた子に差し出したのは
弁当箱
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