×また子受け

□ずっと君の大切な幼馴染みでいること
2ページ/5ページ



───────────…


「晋助様!!」


今日も元気に追いかける君に話しかけた


「また子」
「待ってッス!!
晋助様に呼ばれたッス♪」


いつしか君は、
朝、起こしに来なくなった


「あ、晋助様!
おはようございまッス♪」


一緒に登校してはいた

だけどあの男を見ると
直ぐにそっちへ行ってしまう


「晋助様ー!」
「晋助様♪」
「晋助様ぁ…っ」
「晋助様!!待って下さいッス!!」


いつしか君は、
あの男の後をトコトコとついていくようになった

いつしか君は、
あの男のことばかり呼んでいた


「……また子」


呼んでも、君はいつしか

僕の傍には居なかった


───────────…


そんなある日だった


「万斉っ…」


君は半泣きで僕のもとに来た


「晋助様を怒らしちゃったッス…」


ああ…またあの男のことか

せっかく僕の名を呼んでくれたのに


「万斉…?」
「…また子、安心するでござる
数日たてば、機嫌も直ってるでござるよ」
「そうッスか…?」
「うむ
だから、気にしなくて良いでござるよ」


そう言うと君は安心したように笑って
出ていこうとする

引き留めたかった


「また子」


気が付けば名前を呼んでいた


「何スか?」
「あ…いや…」


結局何も言えなかった

だってこの気持ちを認めてしまうと
君が困ってしまうから


───────────…


「晋助様♪」


いつも通り君はあの男に付きっきりだった

最近変わってきたのは、
あの男が君に優しくなったこと、

そして

君と僕が
一緒に居ることが

殆ど無くなってしまったこと

.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ