短編

□麦わらの嫁Mの証言。
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ーそうね、彼は、ええ。すごく明るい人だったわ。悪く言えば能天気ね。





ー出会い?そんなものに興味あるなんて…変わってるのね。そうね、あれは、私が18の時かしら。当時私が住んでいた島では内戦があってて、それを彼らが止めてくれたの。ええ、そうね。ふふ、まるで海賊じゃなかったわ。ヒーローね。





ーその後?…彼の船に乗ったわ。彼の船には、方向音痴なマリモ剣士や、お金命な航海士、それから嘘つきなビビリ狙撃手に、女好きで料理人のくせにタバコ吸ってるメロリンコック、心優しいトナカイドクター。すごく個性が強い仲間だったわ。







ーどれくらいって…そうね、短かったわ。造船島で降りたのよ。






ー子供ができたの。彼との間にね。それが降りた理由よ。





ー今は12になったわ。マリリンっていうの。ジーンでもよかったのだけれど。





ー最後の言葉?『じゃあな、』よ。…困るわよね、言葉は短すぎると何を意味してるか考えるわ。でもね、きっとあれはあの人の優しさね。また会おうなんていうなんの確信もない言葉は無責任と思ったのよ。…ふふ、あの人は意外と深い男なの。





ーええ。愛してたし、愛されてた。それは、何が起こっても変わらない。絶対よ。あら、喋りすぎちゃったわ。じゃあ、子どもを迎えに行かないといけないから。さようなら。











麦わらの嫁Mの証言。
(追記:その後Mと子どもは麦わらに出会えたとかいないとか。)
(なお、この情報は新世界の噂なので信憑性は五分五分である。)











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