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□出会う
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攘夷戦争。

天人が地球に蔓延ることを拒む者達と天人との戦い。


私も戦いに参加していた。


理由は、父が天人に殺されたから。
父は攘夷戦争に参加していて、殺されたのだ。

父の意志を引き継ぐことと、父の復讐。

そのために私は戦場に出ていた。


戦いでは迷った者から死んでいく
だから戦いが終わるまでは、いくら味方が死んでも敵を斬ることに集中する。



終わってから、私はいつも戦場を歩く。
味方や、敵の死体を見て思うこと。


斬っても斬っても減らない敵。
倒れていく味方達。


こんなこと続けて、何か得られるものはあるの?
失うものばかりじゃないか?

私のしていることは正しいの…?



雨が降ってきた。こういう日は星空より雨が合う。

雨の中歩いていると、先の方に誰かいた。



その人は、空を仰いで雨を浴びていた。

なぜだか、私はその人から目が離せなくて立ち止まって見ていた。


しばらくすると、彼はこちらを見た。
赤い瞳。銀色に輝く髪。

戦場には似合わない綺麗さだと思った。
その人は泣いていたみたいだ。




「お前も、悲しいのか?」



ーーーー

「銀時!そっち行ったよっ!」
「おうよ!」


私は相変わらず戦場にいる。
仲間はたくさん死んでいく。
敵は斬っても斬っても現れる。

これが正しいのかわからない。
でも、「おい、背中はまかせたぜっ!」
「任せて!生きていつもの場所で!」
「おうっ!死ぬなよ」


あの日に会った彼とは背中を任せる仲になった。


戦場に輝く銀。


まるで私を照らしてくれているみたいで、私はあの輝きを頼りに戦い、生きていこうと思えた。

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