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□あなたを思うあまり…
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Side Yuko

「ねぇ、これどういうこと…?」

「どういうことって…べつに…
っていうか麻里ちゃんなに勝手に人の携帯見て…!」

そんな感じでケンカがはじまった

最近、麻里ちゃんは
嫉妬とか束縛が激しい…

特ににゃんにゃんとのことになると
嫉妬も束縛も度を超えている

にゃんにゃんと別れてから
もう1年以上経つっていうのに…

「陽菜と2人でごはん行くなんて
篠田聞いてないんだけど?」

「べつに言う必要ないでしょ…
にゃんにゃんとはもう何もないんだから
あんまり束縛しないでよ…!」

「は、なに言ってんの?
何もないなら言ってくれてもいいじゃん」

「そんなことでいちいち
許可とってたら面倒だよ…んんっ!」

言い終わらないうちに
麻里ちゃんの細くて白い腕が
両手で私の首をつかんだ

「謝って」

「な、んで……!」

力はそんなに入れられてないけど
息苦しくて……何より…麻里ちゃんが怖い……

「じゃあ今日は寝かさなくてもいい?」

「っ……!」

「ほら、はやく謝ってよ」

麻里ちゃんの手が首から離れたと同時に
乱暴に後頭部の髪をつかまれる

「ごめん…」

不本意だったけど
髪をつかまれながら見上げた
麻里ちゃんの顔が本気で怖かったから
目線をそらしてぶっきらぼうに謝る

「なにその反抗的な態度
そんなんで許されると思ってるの?」

「許すって…私、べつに悪いことなんて…!」

そこまで言ってから
自分の言葉に後悔した…

麻里ちゃんを怒らせることほど
しちゃいけないことはないのに……
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