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□kojineko
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Side Haruna
「きょ、う、の、お、う、ち、はー?」
携帯のアドレス帳に載っている名前を
指さしながら、小さい子が変な占いを
するみたいに順番に指を当てていく
指先が止まった名前は……
「麻里ちゃんだっ
…うーん、まぁまぁかな?」
というわけで、今日の陽菜のおうちは
麻里ちゃんのマンションで決定
ちっちゃなキャリーバックを
ころころしながら電話をかける
「…もしもし麻里ちゃん?
あのね、今日陽菜ね……うん、そうなの
…8時過ぎ?大丈夫、待てるよ
…じゃあそれまで時間つぶしてるね」
さすがは麻里ちゃん、話しが早い
まぁこの時間に陽菜から連絡なんて
寝場所探しとしか思わないか…
20時にお仕事が終わるから
陽菜の今いる駅のところまで
迎えに来てくれるんだってさ
だからそれまでの1時間くらいは、
近くのカフェでホットミルクを飲んで
適当に時間をつぶすことに決めた
…あのね、ちょっと色々あって
今陽菜、野良猫なの