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□暗闇の中で。
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別れは唐突に。
「音也…」
「ん、何?トキヤ」
「別れましょう。」
え…?
今、何て……
「…音也」
「あはは、ごめん。俺、用事あったんだよねー…!」
そんなの、やだ。
トキヤと別れるなんて、俺、絶対やだ。
…なんて、付き合ってるんだからその位言わなきゃいけないのに、俺はその場にとどまっていることさえも出来なかった。
でも、トキヤが俺のことを嫌いになる理由なんてたくさんある。
曲作りや勉強の邪魔したし、疲れたトキヤに何回も迷惑かけた。
俺、そんな資格がないって、最初から分かってたはず、なのにな…。
頬を伝わって落ちる涙は、なかなか止まってくれない。
だめ、…俺、トキヤのこと好きすぎるみたい。自分でもわかんないうちに、トキヤにハマってたんだ。
今更気付くなんて、俺……
「馬鹿だなぁ…、」
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