【short story】
□Scarecrow
1ページ/12ページ
ある日、気付いたら事務所に気味の悪い人形が置いてあった。
やけに大雑把なつくりになっていて、適当な布で作ったような帽子も服も、木製の手足も、ボールに目口を書き足したただけみたいな顔も、よく畑なんかにあるカラス避け…かかしみたいだ。
曰く付きでもないのに、アレもなんか不気味さを感じることがあるけど…
それは普通のかかしとは違う気がした。
無駄に目と口が赤いからかもしれない。
作ったやつは、人間っぽさを出したかったのかもしれないが、ご苦労なことだな。
そんな気味の悪い人形が、何故事務所に置いてあるのかというと
4「よく分からんが、2週間程預かってほしいそうだ」
報酬は弾むらしいぜ。初代が呆れたように付け足した。
3「何の目的で?」
4「さあな。分かんねーし、どうでもいい」
オッサンにしても酷くおざなりだった。
あんまり気乗りしない依頼だったらしい。
レディからの借金を返すため、仕方なく請けたといったところだ。
確かに、デビルハンター業に人形を預かるなんて仕事はない。
筋違いもいいとこだよな。
…普通の人形なら。