【short story】

□Souleater
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真夜中。

誰もいない事務所で。




慌てて部屋を飛び出し、階段を駆け降りた。

明かりは消され、月明かりだけが事務所内を照らしている。

眠気と疲労で頭がグラグラしたけど、なんとか洗面台に駆け込んだ。

手探りで棚から薬瓶を取り出す。

蓋を明け中身をひっくり返し、噛み潰すようにして口に詰め込んだ。

苦味で噎せ返りそうなのを耐え、水で流し込んでから、別の薬瓶をひっ掴む。

それでもまだ治まらない眠気に、冷水で顔を叩く。


もうどれくらい眠ってないんだろう…。


鏡の向こうの自分を見る。

肌が白いのはもともとだが、
やつれて、目の下にはくっきりと隈ができていた。

…眠ったらダメだ。

そう思うのに、睡魔は容赦なく襲いかかってくる。

それは、いくら薬を飲んでも、気をまぎらわせても、変わらないことだった。


何かが胃の府をさまよう。

慣れた吐き気に口を抑え、怖くて仕方なくてにその場にうずくまる。



「なんで……」


なんで、こんな目にあわなきゃならないんだ…。

意味なく自問したところで、それに勝てなかった。



重くなる瞼を閉じて、意識を手放した…。




 
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