【short story】

□Scarecrow
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ある日、気付いたら事務所に気味の悪い人形が置いてあった。

やけに大雑把なつくりになっていて、適当な布で作ったような帽子も服も、木製の手足も、ボールに目口を書き足したただけみたいな顔も、よく畑なんかにあるカラス避け…かかしみたいだ。

曰く付きでもないのに、アレもなんか不気味さを感じることがあるけど…
それは普通のかかしとは違う気がした。

無駄に目と口が赤いからかもしれない。

作ったやつは、人間っぽさを出したかったのかもしれないが、ご苦労なことだな。

そんな気味の悪い人形が、何故事務所に置いてあるのかというと

4「よく分からんが、2週間程預かってほしいそうだ」

報酬は弾むらしいぜ。初代が呆れたように付け足した。

3「何の目的で?」

4「さあな。分かんねーし、どうでもいい」

オッサンにしても酷くおざなりだった。

あんまり気乗りしない依頼だったらしい。

レディからの借金を返すため、仕方なく請けたといったところだ。

確かに、デビルハンター業に人形を預かるなんて仕事はない。

筋違いもいいとこだよな。


…普通の人形なら。





 
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