【Not Joke】

□Fire Away
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「私は悪魔…。アリウスにつくられた悪魔だったの」


彼女は無表情に言い放った。

認めたくない現実を突き付けられて尚、彼女の表情は変わらなかった。

それは、彼女の言う通り、彼女が悪魔だからか。

―トリッシュもそうだった。

会った当初は、
殺伐とした雰囲気を纏ってはいたが、それ以外、感情らしきものを見せなかった。

それは、悪魔だからか。

だが、トリッシュは―


…いや、誰しもが同じなわけじゃない。

彼女と同じ顔の悪魔が回りを囲む。

それを切り払うのは難儀なことではなかった。

背後から来た一刃を、はねのける。

無表情な瞳が彼女と重なった。

あの様子では、いずれ、こいつらのように、アリウスに逆らえず、操り人形のようになる。

強さを持たなければ、主に従い続けなけろばならないのが、つくられた悪魔の行く道だ。

誰にも守られず、愛されず、駒ならまだしもボロ雑巾のように切って捨てられ、おまけに骨も残らない。

だが…、他人の自分に出来ることは何もない。

“殺して”と言った彼女を思い出した。

哀れと思わない訳ではない、出来る限りのことをしてやりたいと、思わない訳ではない。

自分の相棒のように、彼女も涙を流し、笑い、安堵すると、するようになると、望んでいない訳ではない。

彼女の否定する彼女に、ならないで欲しいと、そう思わない訳ではない…。





だから。






歪んだ瞳。

溢れた雫。

それをぬぐいとって、言ってやる。


「悪魔は泣かない」


本当は、彼女には心があった。

ずっと前からあったものかもしれない。

彼女は、本来あるべき自分を見失っていたが、ようやく取り戻した。

何があったか分からないが、会った当初より、ずっと強い力を持っていた。


それが分かったから、俺は行くんだ。

それが分かったから、奴を任せられる。

奴の呪縛を解くのには、彼女自身が戦わなければならない。


意志と言う力を以てして。


だが、もう大丈夫だろう。


力を持つ瞳に言う。



「ここは任せた」



俺の相手は、もうここにはいない。

いるのは…


だから、“俺は”あちらへ向かう。




銃口を彼方へ向けて。








――――――――――――――

またもや公式から頂戴致しました題名です。
もうシリアスはこんな感じでいきましょうか…(^_^;)
やっと2作目ですが…、実は2はあんまり話覚えてない上に、ルシア編やってないんです(哀)
なので、なんか間違っていたらすいません(>_<)
ルシア編…やろうとは思うのですが…。
公式小説(全部)も読んでないので、本当にお前DMCファンか!と思われるかもしれませんが、どうかお許しください〜;;
そんな中の今作ですが、前作はめっさり暗い感じになってしまったので、ちょっと希望のある感じにしてみました。
たたでさえ2様は暗い感じなんでね!←失礼な物言い
それでは、いつになるか分かりませんが次のシリアスも読んで頂けると嬉しいです。



2013/8/1

 

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